カメラの肖像
2010年 12月 13日
Nikon S + Nikkor S.C 1.4/5cm 1950
ニコンSは日本のカメラが世界で初めて認められた記念すべきモデルだと云えます。
日本に訪れていた米国のフォトグラファーがひょんなことでニコンのレンズと出会い、
その画質に驚愕。のちに勃発した朝鮮戦争の報道写真でニコンの優秀さを伝えました。
様々な偶然が重なり日本製カメラがようやく認められ、今のデジタルカメラへと続いています。
今でもしっかりしたシャッター音を響かせ、素晴らしい絵をたたき出してくれます。
Iloca RAPID-B2 Steinheil Munchen Cassar 2.8/50mm 1952-1959
イロカはドイツ製の普及機クラスのカメラ。ドイツのカメラと云えばライカ、ローライなどの高級機。
でもドイツにだってメルセデスばかりじゃなくフォルクスワーゲンもあるように、こんなカメラも。
昔の日本がそうだったように様々なカメラメーカーが存在していました。
イロカはどちらかと云えばイギリスやアメリカに輸出されることも多く、OEMメーカーでもありました。
色香、なんとなくセクスィ~でドキドキしそうな雰囲気だけど、カメラはさほど美人顔でもなくw
でも、ぼくはこういうカメラが大好き。
OLYMPUS PEN-F + D.Zuiko 2.8/38 1966
オリンパス・ペンFは今でも、というか、最近人気が再燃しているハーフ判一眼レフ。
本来のモデルは1963年に発売開始。このモデルはペンシリーズ250万台販売記念のモデル。
レンズはこのセットのみの38mm2.8で、1万台限定で販売されました。
その価格、当時19800円ですからやはりお安くはないようで。(38mmの1.8付きで24800円でした)
この頃のカメラには夢があったと思います。プロ用ではなくファミリー向けなのがペン。
家族の記録、旅の思い出、楽しい時を写すためのカメラ。なんだか幸せ。
中古のカメラを手にする喜びは、当時かなり高価であっただろうこれらのカメラを最初に買った人の事。
どんなに嬉しかっただろうか。どんな写真を撮って、残されたのかな、とか想像すると楽しい。
縁あってやってきたカメラだから、また光を入れて写真を撮ってあげようと思うのです。